光忠の朝は早い。いつも誰より早く目を覚まし、朝のシャワーを浴びるのがこの伊達男の日課だ。そして、キッチンに行き熱いブラックコーヒーを飲む。そして新聞に目を通してから朝食の支度を始める。これが燭台切光忠の朝だ。
元は太刀だったが、審神者の力で人間の体を得てから随分になる。この身体にも慣れて、今では何不自由なく過ごせている。風邪などの体調不良とも無縁だ。
しかし、この日光忠は違和感で目を覚ました。身体が火照って寝ていられなかったのだ。時刻は朝の五時半。いつも起きている時間よりも一時間も早い。光忠はそのまま布団を出て着替えを持って風呂場へと向かった。
(まだ誰も起きていないみたいだね)
手早く服を脱ぐ。いつもと変わらない自分の体のはずなのに、なんだか違う気がする。人間の体に慣れはしたものの、まだまだ未知のことが多い。きっと自分の知らないところで、何か起きているのだろう。
風呂場に入り、冷たいシャワーを浴びる。火照った体に冷たい水が心地いい。
ボディソープを泡立てて体を洗う。丁寧に、念入りに。
「ひっ!?」
手が胸の突起に触れた瞬間、身体に電流が走った。思わず声を上げて、その場に固まってしまう。
(な、なんで……?)
もう一度触れる。
「っ!」
またもや電流が走る。恋人の倶利伽羅に触られてもこれほど感じないのに、どういうことだろうか。
次第に腰の奥にもったりとした熱が溜まってくる。
(あーあ……)
見れば光忠の性器は硬く勃起しており、ピクピクと震えていた。
「仕方ないよね」
片方の手で乳首を弄りながら、もう一方の手で根元から性器を扱く。
「ぁっ……すご、い」
いつもと同じように弄っているというのに、いつもよりも感じる。先端からはとろとろと先走りが溢れ、少し尿道口をくじってやればどっとその量が増える。それを潤滑油にしてくちゅくちゅと扱いていると、今まで感じたことの無いぬめりを股の間に感じた。
「?」
先走りが内股を伝ったのかと思ったが、そうではないらしい。
「え……う、そ?」
おそるおそる玉の奥のほうに指を伸ばすと、そこには男にはあるはずのない秘裂が存在していた。
(は? え? ちょ、ちょっと待って……ははは、何かの冗談だろう? そんな、こんなところに、ねぇ?)
そっと指で撫でてみる。すると、今まであるはずの無かった女陰はどっと熱い蜜を吐き出しながらヒクついた。
(これ、どう考えても、ヴァギナじゃないか)
おそるおそる指を沈めてみる。
初めて感じる女性の内部はぬめっていてキツく、光忠の指を何度も吸った。
「は、ぁ……すごぃ」
何度も出し入れしているうちに、だんだん気持ちよくなってくる。ちゅぷちゅぷと内部を捏ね回しているうち、肉筒の天井にざらざらした部分を見つけた。ぐっとそこに指を押し付けて、ぐりぐりと擦ってみると
「あ、あ、あぁっ、なんだ、これ……!?」
びくびくと腰を跳ねさせながら、初めて光忠は女の快楽を知った。
達した後の気怠さに身を任せていると、風呂場の外でバタバタと足音がし始めた。どうやら他の連中が起き出してきたらしい。
再度シャワーで体を清めると、光忠は風呂場から出て自室へと向かった。
自室に戻ると、倶利伽羅はまだ寝ていた。その顔は存外に幼い。
「倶利ちゃん起きて!」
光忠が体を揺さぶると倶利伽羅が眉間に皺を寄せる。
「ちょっと、倶利ちゃん、大変なんだよ! 起きて!」
「なんだ……うるさいな。まだ眠い」
「とにかく大変なんだよ! 起きて! 僕の下半身が一大事なんだ!」
「……うるさい」
無理矢理倶利伽羅から布団を引きはがす。ようやく倶利伽羅が体を起こした。
「おはよう倶利ちゃん」
「ん」
こんな時でもおはようのキスは忘れない。
倶利伽羅の唇に軽く口付けると、光忠は真面目な顔で倶利伽羅に告げた。
「倶利ちゃん、僕、女の子になっちゃったかも」
いきなり言われて理解できないのも無理はない。倶利伽羅が眉を顰める。
「しかも、下半身だけ。っていうか、女の子になっちゃったっていうのは誤解を生むかもしれない。でも、僕自身何が起きたかわからないんだよ。あの……その……なんていうか、男の子なんだけど、女の子でもあるっていうか……」
「はっきり言え」
「おまんこも――できちゃった」
光忠が小さい声で呟くと、倶利伽羅は一気に顔を赤くした。
「はあ!?」
「しーっ! 僕も未だに何が起こったのかわからないんだってば! とにかく、おちんちんもあるんだけど、その、秘密の花園もあるわけで、朝起きたらこんなことになってて、もう何がなんだか……」
倶利伽羅が大きな溜息を吐く。明らかに呆れている。
「疑うんなら見てみるかい?」
「…………良いのか?」
「恥ずかしいけど、仕方ない」
光忠が下だけ服を脱ぐ。
ミニテーブルの上にあった手鏡を取ると、自らの股間を下から映した。
「本当だな……」
「倶利ちゃん、冷静だね」
男性の印と双玉の下に、割れ目が見える。割れ目はヒクついており、鮮やかなピンク色を覗かせていた。
「とりあえず、服を着ろ。俺はもう一度寝る」
「! 夢じゃない! 夢じゃないよ、倶利ちゃん!」
「夢に決まっているだろう。こんなことがあってたまるか」
「そりゃ僕だって夢だったらいいと思ったよ! でも現実なんだ! ほら、布団に入ろうとしない!」
光忠は服を整えると、倶利伽羅の向かいに正座した。
「これ……どうすべきかな……」
「審神者にだけは報告すべきだろう」
「え、恥ずかしい」
「俺に見せておいて恥ずかしいも何もあるか」
「倶利ちゃんは特別」
光忠が時計に目をやる。時刻は八時少し前。審神者が起きてくるまであと二時間はある。
「あと二時間は起きてこないよね、あの人」
「そうだな」
倶利伽羅が席を立つ。
「どこ行くの?」
「朝飯だ」
決まっているだろう、というように光忠を見ると、倶利伽羅は部屋を出て行った。
慌てて光忠も後を追う。
茶の間のほうからは賑やかな短刀たちの声が聞こえてきた。
朝十時を周り、審神者が起きてきた。
「おはよう」
よれよれのジャージを着た三十路手前のダメ男……これが光忠ら刀剣男士の仕える審神者だというのだから世も末である。いつもならもう少しシャキッとしているのだが、今日は鼻声だしどこかぼーっとしているしで様子がおかしい。
「大将、鼻水出てるぜ」
「あぁ、悪い」
執務卓に着いてもどことなく怠そうだ。
「どうかしたのかい? 寝不足かな?」
「いやね、風邪を引いてしまったようでね。この時期はいけないなぁ……くしゃみと鼻水だけならまだ良いんだけど、っくしっ! 熱も出てるみたいでね」
卓の上に突っ伏した審神者を見て、光忠と倶利伽羅は思った。
(原因はこいつだ……)
と。
「あとで話がある」
倶利伽羅が言うと、審神者は不満そうに「勘弁してよ~」と天を仰いだ。
「急ぎの話だ。時間はかからない」
「どうしても聞かなきゃダメ?」
「どうしても、だ」
「わかったよ。
今日の出陣は無し。内番は当番表のとおりにお願い。僕は今日は寝てるから。薬研とにっかり、よろしくね」
審神者の指示を聞いて薬研とにっかりが部屋を出ていく。
二人の足音が十分遠くまで去ってから、光忠は口を開いた。
「非常に言いにくいんだけれども、君の不調と関係があるのかな? 僕にヴァギナが出来てしまったんだ」
「………………は?」
審神者が目を見開く。
「どういうこと?」
「だから、僕の体がおかしくなってしまったんだよ」
「俺も確認したが、あれは確かに……なんだ、その……女の部分だった」
「朝起きてシャワーを浴びに行ったら身体がこんなことになってて、僕もうお婿に行けないよ!」
光忠が涙目になって顔を覆う。
すると審神者は散らかった部屋の奥から一冊の本を持ってきた。
「それは、つまり、フタナリになってしまったってことかい?」
「ふたなり?」
「男の部分も女の部分も付いている身体のことだよ」
古い本の一ページを開くと、そこには「半陰陽」と書かれた図が載っていた。
「君たちの場合は人間じゃないから、染色体だとか遺伝子だとかそういうことではないと思うんだ。もし原因があるとすれば、僕の体調不良だろうね」
「どうにかできないのか?」
「こればかりは、僕の体調の回復を待ってもらうしかないなぁ……いや、僕も十分養生に努めるけれども」
「じゃぁ、君が治るまで、僕はこのままだっていうのかい!?」
「かもしれないし、そうじゃないかもしれない。こんなケースは審神者になってから初めてだから、なんとも言えないよ。とりあえず他の本丸にも連絡を入れて、調べてはみるけれども……。慣れない身体なんだ、光忠も無理はしないように。人間の体のことを勉強するなら本を貸してあげよう。持って行っていいよ」
審神者は光忠に本を渡すと、そのまま奥の寝所へと下がってしまった。
取り残された光忠と倶利伽羅は顔を見合わせてため息を吐く。
別に体が半陰陽になったとしても今のところ不都合はない。かといって、放っておかれても困る。
二人は仕方なく審神者の部屋を後にすると、自室へと戻った。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*
何事もなく時間は過ぎ、風呂にも入って、部屋で光忠が審神者から借りた本を読んでいた時だった。風呂上がりの倶利伽羅がいきなり光忠のうなじの臭いを嗅いできたのだ。
「ちょ、倶利ちゃん」
「なんだか不思議な匂いがするな」
「え……ちゃんとお風呂で洗ってきたけど」
「石鹸の香りとも違う。花のような香りだ」
後ろから抱きしめられ、うなじに鼻を擦りつけられるとそれだけで淫靡な気分になってくる。
「駄目だよ倶利ちゃん」
「何がだ」
やんわりと手を退けようにも、倶利伽羅の力は思ったよりも強い。
倶利伽羅が光忠のうなじに口付けた。
「んっ――」
そのまま軽く歯を立てられる。
いつもと同じじゃれあいだと思ったが、今回は違う。女の部分が、疼いた。
「倶利ちゃん、駄目だって……なんかおかしい」
「? 匂いが強くなった」
「匂いなんて、しな――っ」
ぐっと顎を掴まれてそのまま深く口付けられる。
倶利伽羅の舌が口の中に入ってきた瞬間、光忠の背筋にぞくぞくとしたものが走った。
抵抗しようにも、力が入らない。舌を吸われ、甘噛みされるともう駄目だった。光忠のほうからも倶利伽羅を抱き寄せ、積極的に舌を絡める。部屋の中に、秘めやかな水音が響く。
「ちゅぷ、ちゅむ……んぁ、ん」
倶利伽羅のかさついた手が光忠の服の中に入ってくる。
程よく引き締まった脇腹を撫で、胸の飾りに辿りつくと、ツンと尖った乳首を指の腹で押し潰し、捏ねた。それだけで光忠の腰からは力が抜け、倶利伽羅に凭れかかってしまう。
唾液を交換して口を離せば、二人の唇の間に透明な糸が掛かった。
「倶利ちゃ、ん……そこばっかり、だめだよ」
「いつもより硬くなってないか?」
「そんなことな――ぁっ」
爪を立てられ、思わずのけぞってしまう。それを面白がるように倶利伽羅は何度も光忠の乳首を摘まんだ。
光忠がそのうち腰をもぞもぞさせる。
「どうした?」
「なんでも、ない」
「本当にか?」
倶利伽羅の膝で勃起した男のモノを刺激され、不覚にも女の部分からじゅわっと蜜が滲んでしまう。その慣れない感覚に肩を竦めていると、その場に押し倒されてしまった。
倶利伽羅が無言で光忠の服を脱がしにかかる。
スウェットの下をするりと脱がすと、もう光忠の下着にはシミが出来ていた。
「女の部分から出ているのか?」
下着の上から擦られるたびに、くちくちといやらしい音がする。思わず顔を赤らめて目を逸らすと、今度は男の部分を扱かれた。
「や、ちょ、やめて」
「今更だろう?」
確かに今まで何度となく体を重ねてはきたが、女の部分が出来てからは初めてである。そのため、妙に気恥ずかしい。
「自分で、脱ぐから」
倶利伽羅の手を退けて、自らの下着に手を掛けると、一気に引き下ろす。緩く勃起したモノがぷるりと飛び出した。
「見た感じは変わらないな」
「まぁ、それはね」
光忠の足の間に体をねじ込むと、倶利伽羅が腰を抱えた。
「!?」
「ぁむ……」
光忠の性器を口に含み、舌でちろちろと先っぽの孔を擽りながらふにふにと双玉を揉む。溢れる先走りを啜りながら、倶利伽羅は光忠を愛撫しはじめた。
ピクピクと細腰が震える。
倶利伽羅は光忠の裏筋を舐め揚げると、今度は玉を口に含み転がした。
「ひっ……倶利ちゃん、だめだよ、それ、だめ……」
体を捩っても倶利伽羅は光忠の腰を離さない。
ひとしきり玉を弄んで満足すると、次は光忠をころんとうつぶせにして、腰だけを高く掲げさせた。
「本当に出来ているな。間違いなく女陰だ」
何度となく倶利伽羅に裸を見られてはいるものの、このようにじっくり眺められると顔が火照る。後孔を見られる恥ずかしさとはまた違う恥ずかしさがあった。
倶利伽羅が秘裂の匂いを嗅ぐ。
「やめてよ、恥ずかしい」
涙目になって光忠が言うと、倶利伽羅は「甘い匂いがする」と笑った。
男のモノを扱きながら、女陰の周りをなんども舌が掠める。その度に光忠は声を上げた。
「ひぅ、あっ、焦らさないで。ちゃんと触って」
「いやらしいな。濡れているぞ」
自分でも女の部分から蜜が漏れているのが解る。だくだくと溢れる秘蜜は光忠の内股を伝って、布団にシミを作った。
濡れた割れ目にふうっと息を吹きかけられる。そのたびに、光忠の新たな孔はヒクついた。
「こんなに溢れてくるものなのか? ぬるぬるだ」
「や、あぁっ!」
倶利伽羅が光忠の女陰に舌を這わせた。その瞬間、光忠は軽く絶頂した。びくびくと男根も跳ねる。
「ちゅっちゅっ、ちゅぷちゅぷ……ぢゅる」
「それ、嫌っ、やめ……んぅっ!」
身を捩った瞬間、糊の効いたシーツに乳首が擦れた。それの刺激だけでまた光忠は軽く達する。
倶利伽羅は女陰から舌を離すと、今度はゆっくりと肉筒に指を沈めた。
太い指が内部をぐちぐちとかき回す。そのたびに、光忠の肉孔はヒクつき、倶利伽羅の指を食い締めた。倶利伽羅の指が奥まで侵入してくる。秘肉の最奥にあるしこりに倶利伽羅の指が触れた瞬間だった。
「あぁぁぁぁぁ!!」
一際キツく倶利伽羅の指を食い締めながら、光忠は射精した。
「なに、これ……すご、ぃ」
「?」
クリクリとなんどかそこを擽られる。そのたびに、光忠はビクビクと体を震わせた。
「や、だめ! そこもうコリコリしないでよぉ……!」
弄られるたびにとぷとぷと射精しながら腰を跳ねさせる様が面白くて、何度も何度もそこを弄っていると光忠がすすり泣きを始めた。
さすがに可哀想になって肉筒から指を抜くと、白濁した秘蜜が倶利伽羅を濡らしていた。
「はぁー……はぁー……」
無意識にだろうか。光忠が腰を振りながら息を整えている。それを見た瞬間、倶利伽羅の理性は崩壊した。
無造作に服を脱ぎ捨てると、そのまま光忠に覆いかぶさり、秘肉に猛ったモノを擦りつける。光忠は拒否する様子もなく、自らも強請るように倶利伽羅のモノに腰を擦り付けた。
「倶利ちゃんの、熱くて、びくびくしてる……」
「ちっ……煽るな」
「だって、おまんこ、きゅんきゅんするんだよ……物足りないの……ねぇ?」
光忠の形の良い指が出来たばかりの女陰に沈む。
「えっちぃ僕のおまんこ……まだバージンだよ♡」
(スイッチが入ったか)
普段は伊達男を気取っている光忠がだが、夜になると途端に淫靡になる。その様は娼婦にも似て婀娜っぽく、倶利伽羅の理性にヒビを入れるのだった。
腰を揺らしながらぬぷぬぷと指を出し入れし誘う光忠に、倶利伽羅が訊ねる。
「俺が初めてをもらっても良いのか?」
すると光忠は仰向けになり、倶利伽羅に手を伸ばしながら言った。
「倶利ちゃんじゃないと嫌だよ」
倶利伽羅は先端を光忠の雌穴に宛がうと、ゆっくりと挿入した。
「あ、いっ……」
「痛いか?」
「だいじょう、ぶ」
倶利伽羅という男は一見粗暴で不愛想だが、その実なかなか優しいところもあるのだ。
光忠の中に全部を収めると、倶利伽羅は光忠の額に口付けた。
「すごい、倶利ちゃんの、お腹の中でびくびくってしてるよ」
「やっぱり、女の中は尻の中とは別ものだな。動くぞ」
光忠の負担にならないよう細心の注意を払いながら倶利伽羅が腰を使い始める。最初は破瓜の痛みがあったが徐々にそれも薄れ、蜜が今まで以上に溢れてきた。
「あっ、すごい! すごいよ、倶利ちゃん……!」
「くっ、絞られる……っ!」
打ち付けられる腰に足を絡めると、光忠は倶利伽羅の首筋に頬を擦り付ける。
「おっきくて、熱くて、すごい……倶利ちゃんのおちんちん、気持ち良い」
蕩けた顔で告げられ、思わず達しそうになる。ぐっとそれをこらえると、倶利伽羅は一層激しく腰を打ち付けた。
「あ、あ、そこだめ! だめだよっ! コンコンしないで!」
「ここか?」
先ほど指で擽った時光忠が反応を示した最奥を、先端でくじってやる。
「そこぉ! そこだめっ! おかしくなる!」
「これは……なんだ?」
「たぶん、赤ちゃんの部屋の入り口……だと思う。本に書いてあった。気持ちよくなると、おちんぽみるくが欲しくなってきゅんきゅんしちゃうんだって」
「ふぅん」
「倶利ちゃんのみるく……ちょうだい?」
光忠が倶利伽羅にキスをする。
片手で自分自身を扱きながら、光忠は中に居る倶利伽羅自身をキツく締め付けた。
「ここに出していいのか?」
「中に出して?」
「赤ん坊ができるかもしれないんだぞ?」
「それでも良いよ」
ぐぐっと倶利伽羅自身が膨らむ。
「いっぱい出して?」
どくどくと脈打ちながら、倶利伽羅は光忠の中に精を放った。飲みこみ切れなかった精液が、光忠の秘所からこぷこぷと溢れてくる。
光忠はすっかり蕩けきった顔で、初めて中に出された感覚に浸っていた。
どうしようもない多幸感が沸き起こってくる。頭がふわふわしていて、ただ気持ち良い。
「あぁ……」
「大丈夫か?」
「気持ちぃ――くりちゃんのおちんぽみるく、熱くて、とろとろで、気持ちぃ」
倶利伽羅が腰を引こうとすると、抜かないでと首を振られる。
「赤ちゃんの部屋にじわじわ入ってきてるよ……倶利ちゃんのみるくで、僕、ママになっちゃう……」
多幸感から涙を零しながら光忠が倶利伽羅を抱きしめる。
「そんなに気持ち良いのか?」
「とても幸せなんだ。どうしよう――幸せ」
「抜くぞ?」
倶利伽羅のモノが抜ける。光忠のモノはまだ硬さを保ったままピクピクと震えていた。
「気持ちぃ……」
自分の指をしゃぶりながらうわ言のように光忠が呟く。
「くりちゃん、もっと……もっとみるくちょうだい?」
ゆっくりと体を起こすと、光忠は倶利伽羅のモノにキスをした。
「出なくなるまで僕の中にぴゅっぴゅして? ぁむ……」
喉奥まで銜え込んで、倶利伽羅自身を丁寧に清める。光忠の舌技は実にツボを心得たもので、あっという間に倶利伽羅は再び勃起させられてしまった。
「ふふ、元気だねぇ。よしよし」
裏筋を舐め上げ、先端を吸い、玉を揉む。先走りが出てくると、光忠はそれを指に取って、自らの後孔に塗り広げた。
「くりちゃんのおちんちん舐めてたら、おしりにも欲しくなってきちゃった」
何度か指で周りをなぞってやれば、何度となく男を受け入れたそこは簡単に性器へと姿を変える。ふっくらと綻んだ後孔に指を入れて解すと、光忠は後ろを向いて腰を高く掲げた。
「わんわんぽーずで、いっぱいハメハメして?」
「淫乱だな」
倶利伽羅が一気に光忠を貫く。
「んあぁぁぁ!」
同時に光忠が派手に白濁を放った。
「イッちゃった♡」
腰を掴んで激しく揺さぶれば、そのたびに光忠は蜜を噴く。
「俺以外にも食いまくっているんじゃないのか?」
「やんっ、くりちゃんだけ、くりちゃんだけだよ!」
パンッ! と尻を叩けば、きゅんっと後孔を締めて光忠が感じる。前立腺を集中的に擦ってやれば、高い喘ぎ声を上げて快感を示した。
「やぁ! そこばっかりらめ! おかひくなりゅ!」
「いつもここでイッてるだろう?」
「きょうはらめなの! キちゃう! キちゃうからぁ!」
一定のリズムで突き続けていると、光忠の女陰から透明な潮が迸った。
「やぁっ! なにこれ、なにこれぇぇ!?」
びゅくびゅくと潮を出しながら光忠が後孔を締める。
「とまらないよ! くりちゃん、だめ、だめ!」
「ほら、もっと締めろよ!」
もう一度尻を叩かれる。
光忠は啜り泣きながら後孔を締めた。
「くっ……」
「あー……あー……すご、い。くりちゃんのおちんぽみるく、びゅくびゅくしてぅ……」
光忠のモノからもとろとろと白濁が垂れ落ちる。
すっかり体力を使い果たした二人は、布団に崩れ落ちると、どちらからともなく寄り添い合って眠った。
元は太刀だったが、審神者の力で人間の体を得てから随分になる。この身体にも慣れて、今では何不自由なく過ごせている。風邪などの体調不良とも無縁だ。
しかし、この日光忠は違和感で目を覚ました。身体が火照って寝ていられなかったのだ。時刻は朝の五時半。いつも起きている時間よりも一時間も早い。光忠はそのまま布団を出て着替えを持って風呂場へと向かった。
(まだ誰も起きていないみたいだね)
手早く服を脱ぐ。いつもと変わらない自分の体のはずなのに、なんだか違う気がする。人間の体に慣れはしたものの、まだまだ未知のことが多い。きっと自分の知らないところで、何か起きているのだろう。
風呂場に入り、冷たいシャワーを浴びる。火照った体に冷たい水が心地いい。
ボディソープを泡立てて体を洗う。丁寧に、念入りに。
「ひっ!?」
手が胸の突起に触れた瞬間、身体に電流が走った。思わず声を上げて、その場に固まってしまう。
(な、なんで……?)
もう一度触れる。
「っ!」
またもや電流が走る。恋人の倶利伽羅に触られてもこれほど感じないのに、どういうことだろうか。
次第に腰の奥にもったりとした熱が溜まってくる。
(あーあ……)
見れば光忠の性器は硬く勃起しており、ピクピクと震えていた。
「仕方ないよね」
片方の手で乳首を弄りながら、もう一方の手で根元から性器を扱く。
「ぁっ……すご、い」
いつもと同じように弄っているというのに、いつもよりも感じる。先端からはとろとろと先走りが溢れ、少し尿道口をくじってやればどっとその量が増える。それを潤滑油にしてくちゅくちゅと扱いていると、今まで感じたことの無いぬめりを股の間に感じた。
「?」
先走りが内股を伝ったのかと思ったが、そうではないらしい。
「え……う、そ?」
おそるおそる玉の奥のほうに指を伸ばすと、そこには男にはあるはずのない秘裂が存在していた。
(は? え? ちょ、ちょっと待って……ははは、何かの冗談だろう? そんな、こんなところに、ねぇ?)
そっと指で撫でてみる。すると、今まであるはずの無かった女陰はどっと熱い蜜を吐き出しながらヒクついた。
(これ、どう考えても、ヴァギナじゃないか)
おそるおそる指を沈めてみる。
初めて感じる女性の内部はぬめっていてキツく、光忠の指を何度も吸った。
「は、ぁ……すごぃ」
何度も出し入れしているうちに、だんだん気持ちよくなってくる。ちゅぷちゅぷと内部を捏ね回しているうち、肉筒の天井にざらざらした部分を見つけた。ぐっとそこに指を押し付けて、ぐりぐりと擦ってみると
「あ、あ、あぁっ、なんだ、これ……!?」
びくびくと腰を跳ねさせながら、初めて光忠は女の快楽を知った。
達した後の気怠さに身を任せていると、風呂場の外でバタバタと足音がし始めた。どうやら他の連中が起き出してきたらしい。
再度シャワーで体を清めると、光忠は風呂場から出て自室へと向かった。
自室に戻ると、倶利伽羅はまだ寝ていた。その顔は存外に幼い。
「倶利ちゃん起きて!」
光忠が体を揺さぶると倶利伽羅が眉間に皺を寄せる。
「ちょっと、倶利ちゃん、大変なんだよ! 起きて!」
「なんだ……うるさいな。まだ眠い」
「とにかく大変なんだよ! 起きて! 僕の下半身が一大事なんだ!」
「……うるさい」
無理矢理倶利伽羅から布団を引きはがす。ようやく倶利伽羅が体を起こした。
「おはよう倶利ちゃん」
「ん」
こんな時でもおはようのキスは忘れない。
倶利伽羅の唇に軽く口付けると、光忠は真面目な顔で倶利伽羅に告げた。
「倶利ちゃん、僕、女の子になっちゃったかも」
いきなり言われて理解できないのも無理はない。倶利伽羅が眉を顰める。
「しかも、下半身だけ。っていうか、女の子になっちゃったっていうのは誤解を生むかもしれない。でも、僕自身何が起きたかわからないんだよ。あの……その……なんていうか、男の子なんだけど、女の子でもあるっていうか……」
「はっきり言え」
「おまんこも――できちゃった」
光忠が小さい声で呟くと、倶利伽羅は一気に顔を赤くした。
「はあ!?」
「しーっ! 僕も未だに何が起こったのかわからないんだってば! とにかく、おちんちんもあるんだけど、その、秘密の花園もあるわけで、朝起きたらこんなことになってて、もう何がなんだか……」
倶利伽羅が大きな溜息を吐く。明らかに呆れている。
「疑うんなら見てみるかい?」
「…………良いのか?」
「恥ずかしいけど、仕方ない」
光忠が下だけ服を脱ぐ。
ミニテーブルの上にあった手鏡を取ると、自らの股間を下から映した。
「本当だな……」
「倶利ちゃん、冷静だね」
男性の印と双玉の下に、割れ目が見える。割れ目はヒクついており、鮮やかなピンク色を覗かせていた。
「とりあえず、服を着ろ。俺はもう一度寝る」
「! 夢じゃない! 夢じゃないよ、倶利ちゃん!」
「夢に決まっているだろう。こんなことがあってたまるか」
「そりゃ僕だって夢だったらいいと思ったよ! でも現実なんだ! ほら、布団に入ろうとしない!」
光忠は服を整えると、倶利伽羅の向かいに正座した。
「これ……どうすべきかな……」
「審神者にだけは報告すべきだろう」
「え、恥ずかしい」
「俺に見せておいて恥ずかしいも何もあるか」
「倶利ちゃんは特別」
光忠が時計に目をやる。時刻は八時少し前。審神者が起きてくるまであと二時間はある。
「あと二時間は起きてこないよね、あの人」
「そうだな」
倶利伽羅が席を立つ。
「どこ行くの?」
「朝飯だ」
決まっているだろう、というように光忠を見ると、倶利伽羅は部屋を出て行った。
慌てて光忠も後を追う。
茶の間のほうからは賑やかな短刀たちの声が聞こえてきた。
朝十時を周り、審神者が起きてきた。
「おはよう」
よれよれのジャージを着た三十路手前のダメ男……これが光忠ら刀剣男士の仕える審神者だというのだから世も末である。いつもならもう少しシャキッとしているのだが、今日は鼻声だしどこかぼーっとしているしで様子がおかしい。
「大将、鼻水出てるぜ」
「あぁ、悪い」
執務卓に着いてもどことなく怠そうだ。
「どうかしたのかい? 寝不足かな?」
「いやね、風邪を引いてしまったようでね。この時期はいけないなぁ……くしゃみと鼻水だけならまだ良いんだけど、っくしっ! 熱も出てるみたいでね」
卓の上に突っ伏した審神者を見て、光忠と倶利伽羅は思った。
(原因はこいつだ……)
と。
「あとで話がある」
倶利伽羅が言うと、審神者は不満そうに「勘弁してよ~」と天を仰いだ。
「急ぎの話だ。時間はかからない」
「どうしても聞かなきゃダメ?」
「どうしても、だ」
「わかったよ。
今日の出陣は無し。内番は当番表のとおりにお願い。僕は今日は寝てるから。薬研とにっかり、よろしくね」
審神者の指示を聞いて薬研とにっかりが部屋を出ていく。
二人の足音が十分遠くまで去ってから、光忠は口を開いた。
「非常に言いにくいんだけれども、君の不調と関係があるのかな? 僕にヴァギナが出来てしまったんだ」
「………………は?」
審神者が目を見開く。
「どういうこと?」
「だから、僕の体がおかしくなってしまったんだよ」
「俺も確認したが、あれは確かに……なんだ、その……女の部分だった」
「朝起きてシャワーを浴びに行ったら身体がこんなことになってて、僕もうお婿に行けないよ!」
光忠が涙目になって顔を覆う。
すると審神者は散らかった部屋の奥から一冊の本を持ってきた。
「それは、つまり、フタナリになってしまったってことかい?」
「ふたなり?」
「男の部分も女の部分も付いている身体のことだよ」
古い本の一ページを開くと、そこには「半陰陽」と書かれた図が載っていた。
「君たちの場合は人間じゃないから、染色体だとか遺伝子だとかそういうことではないと思うんだ。もし原因があるとすれば、僕の体調不良だろうね」
「どうにかできないのか?」
「こればかりは、僕の体調の回復を待ってもらうしかないなぁ……いや、僕も十分養生に努めるけれども」
「じゃぁ、君が治るまで、僕はこのままだっていうのかい!?」
「かもしれないし、そうじゃないかもしれない。こんなケースは審神者になってから初めてだから、なんとも言えないよ。とりあえず他の本丸にも連絡を入れて、調べてはみるけれども……。慣れない身体なんだ、光忠も無理はしないように。人間の体のことを勉強するなら本を貸してあげよう。持って行っていいよ」
審神者は光忠に本を渡すと、そのまま奥の寝所へと下がってしまった。
取り残された光忠と倶利伽羅は顔を見合わせてため息を吐く。
別に体が半陰陽になったとしても今のところ不都合はない。かといって、放っておかれても困る。
二人は仕方なく審神者の部屋を後にすると、自室へと戻った。
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何事もなく時間は過ぎ、風呂にも入って、部屋で光忠が審神者から借りた本を読んでいた時だった。風呂上がりの倶利伽羅がいきなり光忠のうなじの臭いを嗅いできたのだ。
「ちょ、倶利ちゃん」
「なんだか不思議な匂いがするな」
「え……ちゃんとお風呂で洗ってきたけど」
「石鹸の香りとも違う。花のような香りだ」
後ろから抱きしめられ、うなじに鼻を擦りつけられるとそれだけで淫靡な気分になってくる。
「駄目だよ倶利ちゃん」
「何がだ」
やんわりと手を退けようにも、倶利伽羅の力は思ったよりも強い。
倶利伽羅が光忠のうなじに口付けた。
「んっ――」
そのまま軽く歯を立てられる。
いつもと同じじゃれあいだと思ったが、今回は違う。女の部分が、疼いた。
「倶利ちゃん、駄目だって……なんかおかしい」
「? 匂いが強くなった」
「匂いなんて、しな――っ」
ぐっと顎を掴まれてそのまま深く口付けられる。
倶利伽羅の舌が口の中に入ってきた瞬間、光忠の背筋にぞくぞくとしたものが走った。
抵抗しようにも、力が入らない。舌を吸われ、甘噛みされるともう駄目だった。光忠のほうからも倶利伽羅を抱き寄せ、積極的に舌を絡める。部屋の中に、秘めやかな水音が響く。
「ちゅぷ、ちゅむ……んぁ、ん」
倶利伽羅のかさついた手が光忠の服の中に入ってくる。
程よく引き締まった脇腹を撫で、胸の飾りに辿りつくと、ツンと尖った乳首を指の腹で押し潰し、捏ねた。それだけで光忠の腰からは力が抜け、倶利伽羅に凭れかかってしまう。
唾液を交換して口を離せば、二人の唇の間に透明な糸が掛かった。
「倶利ちゃ、ん……そこばっかり、だめだよ」
「いつもより硬くなってないか?」
「そんなことな――ぁっ」
爪を立てられ、思わずのけぞってしまう。それを面白がるように倶利伽羅は何度も光忠の乳首を摘まんだ。
光忠がそのうち腰をもぞもぞさせる。
「どうした?」
「なんでも、ない」
「本当にか?」
倶利伽羅の膝で勃起した男のモノを刺激され、不覚にも女の部分からじゅわっと蜜が滲んでしまう。その慣れない感覚に肩を竦めていると、その場に押し倒されてしまった。
倶利伽羅が無言で光忠の服を脱がしにかかる。
スウェットの下をするりと脱がすと、もう光忠の下着にはシミが出来ていた。
「女の部分から出ているのか?」
下着の上から擦られるたびに、くちくちといやらしい音がする。思わず顔を赤らめて目を逸らすと、今度は男の部分を扱かれた。
「や、ちょ、やめて」
「今更だろう?」
確かに今まで何度となく体を重ねてはきたが、女の部分が出来てからは初めてである。そのため、妙に気恥ずかしい。
「自分で、脱ぐから」
倶利伽羅の手を退けて、自らの下着に手を掛けると、一気に引き下ろす。緩く勃起したモノがぷるりと飛び出した。
「見た感じは変わらないな」
「まぁ、それはね」
光忠の足の間に体をねじ込むと、倶利伽羅が腰を抱えた。
「!?」
「ぁむ……」
光忠の性器を口に含み、舌でちろちろと先っぽの孔を擽りながらふにふにと双玉を揉む。溢れる先走りを啜りながら、倶利伽羅は光忠を愛撫しはじめた。
ピクピクと細腰が震える。
倶利伽羅は光忠の裏筋を舐め揚げると、今度は玉を口に含み転がした。
「ひっ……倶利ちゃん、だめだよ、それ、だめ……」
体を捩っても倶利伽羅は光忠の腰を離さない。
ひとしきり玉を弄んで満足すると、次は光忠をころんとうつぶせにして、腰だけを高く掲げさせた。
「本当に出来ているな。間違いなく女陰だ」
何度となく倶利伽羅に裸を見られてはいるものの、このようにじっくり眺められると顔が火照る。後孔を見られる恥ずかしさとはまた違う恥ずかしさがあった。
倶利伽羅が秘裂の匂いを嗅ぐ。
「やめてよ、恥ずかしい」
涙目になって光忠が言うと、倶利伽羅は「甘い匂いがする」と笑った。
男のモノを扱きながら、女陰の周りをなんども舌が掠める。その度に光忠は声を上げた。
「ひぅ、あっ、焦らさないで。ちゃんと触って」
「いやらしいな。濡れているぞ」
自分でも女の部分から蜜が漏れているのが解る。だくだくと溢れる秘蜜は光忠の内股を伝って、布団にシミを作った。
濡れた割れ目にふうっと息を吹きかけられる。そのたびに、光忠の新たな孔はヒクついた。
「こんなに溢れてくるものなのか? ぬるぬるだ」
「や、あぁっ!」
倶利伽羅が光忠の女陰に舌を這わせた。その瞬間、光忠は軽く絶頂した。びくびくと男根も跳ねる。
「ちゅっちゅっ、ちゅぷちゅぷ……ぢゅる」
「それ、嫌っ、やめ……んぅっ!」
身を捩った瞬間、糊の効いたシーツに乳首が擦れた。それの刺激だけでまた光忠は軽く達する。
倶利伽羅は女陰から舌を離すと、今度はゆっくりと肉筒に指を沈めた。
太い指が内部をぐちぐちとかき回す。そのたびに、光忠の肉孔はヒクつき、倶利伽羅の指を食い締めた。倶利伽羅の指が奥まで侵入してくる。秘肉の最奥にあるしこりに倶利伽羅の指が触れた瞬間だった。
「あぁぁぁぁぁ!!」
一際キツく倶利伽羅の指を食い締めながら、光忠は射精した。
「なに、これ……すご、ぃ」
「?」
クリクリとなんどかそこを擽られる。そのたびに、光忠はビクビクと体を震わせた。
「や、だめ! そこもうコリコリしないでよぉ……!」
弄られるたびにとぷとぷと射精しながら腰を跳ねさせる様が面白くて、何度も何度もそこを弄っていると光忠がすすり泣きを始めた。
さすがに可哀想になって肉筒から指を抜くと、白濁した秘蜜が倶利伽羅を濡らしていた。
「はぁー……はぁー……」
無意識にだろうか。光忠が腰を振りながら息を整えている。それを見た瞬間、倶利伽羅の理性は崩壊した。
無造作に服を脱ぎ捨てると、そのまま光忠に覆いかぶさり、秘肉に猛ったモノを擦りつける。光忠は拒否する様子もなく、自らも強請るように倶利伽羅のモノに腰を擦り付けた。
「倶利ちゃんの、熱くて、びくびくしてる……」
「ちっ……煽るな」
「だって、おまんこ、きゅんきゅんするんだよ……物足りないの……ねぇ?」
光忠の形の良い指が出来たばかりの女陰に沈む。
「えっちぃ僕のおまんこ……まだバージンだよ♡」
(スイッチが入ったか)
普段は伊達男を気取っている光忠がだが、夜になると途端に淫靡になる。その様は娼婦にも似て婀娜っぽく、倶利伽羅の理性にヒビを入れるのだった。
腰を揺らしながらぬぷぬぷと指を出し入れし誘う光忠に、倶利伽羅が訊ねる。
「俺が初めてをもらっても良いのか?」
すると光忠は仰向けになり、倶利伽羅に手を伸ばしながら言った。
「倶利ちゃんじゃないと嫌だよ」
倶利伽羅は先端を光忠の雌穴に宛がうと、ゆっくりと挿入した。
「あ、いっ……」
「痛いか?」
「だいじょう、ぶ」
倶利伽羅という男は一見粗暴で不愛想だが、その実なかなか優しいところもあるのだ。
光忠の中に全部を収めると、倶利伽羅は光忠の額に口付けた。
「すごい、倶利ちゃんの、お腹の中でびくびくってしてるよ」
「やっぱり、女の中は尻の中とは別ものだな。動くぞ」
光忠の負担にならないよう細心の注意を払いながら倶利伽羅が腰を使い始める。最初は破瓜の痛みがあったが徐々にそれも薄れ、蜜が今まで以上に溢れてきた。
「あっ、すごい! すごいよ、倶利ちゃん……!」
「くっ、絞られる……っ!」
打ち付けられる腰に足を絡めると、光忠は倶利伽羅の首筋に頬を擦り付ける。
「おっきくて、熱くて、すごい……倶利ちゃんのおちんちん、気持ち良い」
蕩けた顔で告げられ、思わず達しそうになる。ぐっとそれをこらえると、倶利伽羅は一層激しく腰を打ち付けた。
「あ、あ、そこだめ! だめだよっ! コンコンしないで!」
「ここか?」
先ほど指で擽った時光忠が反応を示した最奥を、先端でくじってやる。
「そこぉ! そこだめっ! おかしくなる!」
「これは……なんだ?」
「たぶん、赤ちゃんの部屋の入り口……だと思う。本に書いてあった。気持ちよくなると、おちんぽみるくが欲しくなってきゅんきゅんしちゃうんだって」
「ふぅん」
「倶利ちゃんのみるく……ちょうだい?」
光忠が倶利伽羅にキスをする。
片手で自分自身を扱きながら、光忠は中に居る倶利伽羅自身をキツく締め付けた。
「ここに出していいのか?」
「中に出して?」
「赤ん坊ができるかもしれないんだぞ?」
「それでも良いよ」
ぐぐっと倶利伽羅自身が膨らむ。
「いっぱい出して?」
どくどくと脈打ちながら、倶利伽羅は光忠の中に精を放った。飲みこみ切れなかった精液が、光忠の秘所からこぷこぷと溢れてくる。
光忠はすっかり蕩けきった顔で、初めて中に出された感覚に浸っていた。
どうしようもない多幸感が沸き起こってくる。頭がふわふわしていて、ただ気持ち良い。
「あぁ……」
「大丈夫か?」
「気持ちぃ――くりちゃんのおちんぽみるく、熱くて、とろとろで、気持ちぃ」
倶利伽羅が腰を引こうとすると、抜かないでと首を振られる。
「赤ちゃんの部屋にじわじわ入ってきてるよ……倶利ちゃんのみるくで、僕、ママになっちゃう……」
多幸感から涙を零しながら光忠が倶利伽羅を抱きしめる。
「そんなに気持ち良いのか?」
「とても幸せなんだ。どうしよう――幸せ」
「抜くぞ?」
倶利伽羅のモノが抜ける。光忠のモノはまだ硬さを保ったままピクピクと震えていた。
「気持ちぃ……」
自分の指をしゃぶりながらうわ言のように光忠が呟く。
「くりちゃん、もっと……もっとみるくちょうだい?」
ゆっくりと体を起こすと、光忠は倶利伽羅のモノにキスをした。
「出なくなるまで僕の中にぴゅっぴゅして? ぁむ……」
喉奥まで銜え込んで、倶利伽羅自身を丁寧に清める。光忠の舌技は実にツボを心得たもので、あっという間に倶利伽羅は再び勃起させられてしまった。
「ふふ、元気だねぇ。よしよし」
裏筋を舐め上げ、先端を吸い、玉を揉む。先走りが出てくると、光忠はそれを指に取って、自らの後孔に塗り広げた。
「くりちゃんのおちんちん舐めてたら、おしりにも欲しくなってきちゃった」
何度か指で周りをなぞってやれば、何度となく男を受け入れたそこは簡単に性器へと姿を変える。ふっくらと綻んだ後孔に指を入れて解すと、光忠は後ろを向いて腰を高く掲げた。
「わんわんぽーずで、いっぱいハメハメして?」
「淫乱だな」
倶利伽羅が一気に光忠を貫く。
「んあぁぁぁ!」
同時に光忠が派手に白濁を放った。
「イッちゃった♡」
腰を掴んで激しく揺さぶれば、そのたびに光忠は蜜を噴く。
「俺以外にも食いまくっているんじゃないのか?」
「やんっ、くりちゃんだけ、くりちゃんだけだよ!」
パンッ! と尻を叩けば、きゅんっと後孔を締めて光忠が感じる。前立腺を集中的に擦ってやれば、高い喘ぎ声を上げて快感を示した。
「やぁ! そこばっかりらめ! おかひくなりゅ!」
「いつもここでイッてるだろう?」
「きょうはらめなの! キちゃう! キちゃうからぁ!」
一定のリズムで突き続けていると、光忠の女陰から透明な潮が迸った。
「やぁっ! なにこれ、なにこれぇぇ!?」
びゅくびゅくと潮を出しながら光忠が後孔を締める。
「とまらないよ! くりちゃん、だめ、だめ!」
「ほら、もっと締めろよ!」
もう一度尻を叩かれる。
光忠は啜り泣きながら後孔を締めた。
「くっ……」
「あー……あー……すご、い。くりちゃんのおちんぽみるく、びゅくびゅくしてぅ……」
光忠のモノからもとろとろと白濁が垂れ落ちる。
すっかり体力を使い果たした二人は、布団に崩れ落ちると、どちらからともなく寄り添い合って眠った。